―― ずれるのは、技術不足じゃない
研究生のひとこと
「ちゃんと縫っているのに、最後に必ず余ります……」
それ、あなただけじゃありません。
コンシールファスナーが縫いずれるのは、非常によくあることです。
そして多くの場合、
原因はミシン操作ではありません。
コンシールファスナーが難しく感じる理由
コンシールファスナーは、
- 布
- ファスナー
- 力の方向
この 3つを同時に扱う工程です。
しかも、
- 表からは見えにくい
- 途中で確認しにくい
- やり直しが怖い
そのため、
判断が遅れると一気にずれます。
ずれが起きる典型パターン
よくある原因は、次の3つです。
1|左右の長さを「感覚」で合わせている
印を付けず、
「たぶん同じくらい」で進めると、
必ずどこかで差が出ます。
2|縫う方向が安定していない
途中で
- 引っ張る
- 押す
- 力を抜く
が混ざると、
ファスナーだけが先に進みます。
3|止め位置を“縫いながら”決めている
ここが最大の落とし穴です。
縫いながら止め位置を決めると、
ほぼ確実に余ります。
研究室式|縫う前に決めること
研究室では、
コンシールファスナーを縫う前に
必ずここを決めます。
- 左右の止まり位置(印を付ける)
- ファスナーの長さの処理方法
- 縫い始めと縫い終わりの位置
縫う前に、終わりを決める。
これだけで、
ずれは激減します。
しつけを省かない理由
コンシールファスナーは、
しつけを省くと一気に難易度が上がります。
- 表から見えない
- 途中で修正しにくい
だからこそ、
しつけ=設計確認
ズレていないかを
縫う前に確定させます。
(▶︎ しつけを省くと、服が荒れる 参照)

見つかりません | 衣服の設計相談室
もし余ってしまったら(直し方)
余ったとき、
一番やってはいけないのは
❌ 無理に布を引き込む
❌ 縫い終わりを誤魔化す
研究室では、こうします。
- どちら側が余ったかを確認
- 余った側だけをほどく
- 止まり位置を再設定
- もう一度しつけ → 縫製
全部ほどかない。
原因のある側だけ触る。
まひろの判断(この1回だけ)
「コンシールは、縫いながら合わせるものじゃない。
先に合わせてから、縫うものです。」
研究室メモ
コンシールファスナーは、
技術の問題に見えて、判断の問題。
終わりが決まると、
途中は自然に揃います。
次につながる読み物
- ▶︎ 技術室:しつけを省くと、服が荒れる
- ▶︎ 技術室:アイロンは「仕上げ」じゃなく「設計」
- ▶︎ 技術室:1点ずつしか直せない理由

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