事件編16|前だけ裾が上がる事件(スカート/ワンピース)

事件編

「前だけ、短いんです。」

研究生は、鏡の前で裾をつまんだ。
後ろは落ち着いている。
前だけ、上がっている。

「引っぱられてる感じがして…」
「落ち着かないんです」

それは気のせいじゃない。
布は、正直だ。


事件概要:裾は“引っぱられた方向”を告げる

前が上がる。
それはつまり——

前が足りない。

足りないから、上に逃げる。
逃げたから、短く見える。


犯人はだれ?

犯人①:前の丈が足りない(お腹の立体)

お腹は立体。
平面のままだと、丈が取られる。

犯人②:前中心が引かれている(胸・肩・首の連動)

上半身の引っぱりが、
裾にまで伝染することがある。

(第6話・第8話の伏線)

犯人③:ヒップで後ろが持ち上がっている(逆転現象)

後ろが持ち上がって、
相対的に前が短く見えるパターンもある。


まひろの判断

「裾の乱れは、体型じゃなく“配分の不足”です。」

研究生は、裾を引っぱるのをやめた。
原因が上ではなく“配分”だと知ったから。


今日の最小の一歩

写真を1枚撮って、
裾が水平かどうかだけ確認してください。

水平じゃないなら、
それは“あなたのせい”じゃない。


翻訳の一行

「丈は、身体の立体を黙って計算している。」


名言

「バランスがすべて。」
— ミウッチャ・プラダ


次回予告

ところであなたは、
裾を直しても直しても落ち着かない服を、放置していませんか?

次回:事件編17|ポケットが口を開く事件(パンツ/スカート)

事件編17|ポケットが口を開く事件(パンツ/スカート)
パンツやスカートのポケットが口を開くのは、縫い方やポケット形状の問題ではありません。服全体のバランスが崩れた結果として起きる原因と、再発させない考え方を解説します。

→ 思考編06|直す順番が違うと、全部ムダになる

→ 診断編01|背中(後ろ身頃)が服を決める理由

やり直し上等 縫製研究室 

合言葉:大丈夫。今日も積み上げていきましょう。 

失敗も、遠回りも、ぜんぶこの経験値は強みに変わります。もう、変わり始めたことを感じたのではありませんか?

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