迷える研究生
「ちゃんと直したはずなのに、前よりおかしくなりました。」
時間も手間もかけた。
一生懸命、問題そうなところを直した。
それなのに、着てみると――なぜか、全体が崩れている。
このとき多くの人は、
「自分の腕が足りないのかも」
「やっぱりセンスがないのかな」
と考え始める。
でも、そこで疑うべきなのは能力じゃない。
ムダになる原因は「順番」
服がうまくいかないとき、
実は「どこを直すか」よりも先に、
「どの順で直したか」が結果を決めている。
たとえば、
- 袖が気になるから、袖を先に直す
- ウエストが合わないから、そこだけ詰める
- 首が苦しいから、衿ぐりを広げる
一見、正しそうに見える。
でもそれが最後に触るべき場所だった場合、
直せば直すほど、全体は崩れる。
服は「連動」している
服はパーツの集合体じゃない。
一か所を動かすと、必ず別の場所が反応する。
- 肩を動かすと、袖が変わる
- 背中を直すと、前身頃が変わる
- 着丈を触ると、バランスが変わる
だから、
「気になるところから直す」=「一番影響の大きいところを後回しにする」
になりがちだ。
まひろの判断(※ここだけ)
直す順番を間違えると、正しい作業も全部ムダになります。
先に直すのは「症状」じゃない
ここで大事なのは、
症状と原因を分けて考えること。
- 症状:袖がきつい
- 原因:肩位置が合っていない
- 症状:ウエストが上がる
- 原因:後ろ身頃のバランス
多くの人は、
見えている症状に手を出してしまう。
でも、
原因に触れない限り、症状は別の形で戻ってくる。
順番が分かると、迷わなくなる
直しの順番が分かると、何が変わるか。
- どこまで触っていいか分かる
- 「今日はここまで」と止められる
- 失敗しても、理由が説明できる
これは、技術の話というより、
判断の設計の話だ。
(ひとこと翻訳|観察者のために)
※うまくいく人は、無意識に「影響の大きいところ」から触っています。
関連する事件・診断
順番を間違えると、
「頑張ったのにダメだった」という感覚だけが残る。
では、あなたは今、
本当は最後に触るべき場所を、最初に直していませんか?
次回は

思考編07|ほどく力は、縫う力より強い
ほどくのが怖くて進めないのは、失敗ではありません。服作りで「ほどく力」がなぜ重要なのか、判断の考え方を解説します。

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