迷える研究生
「ほどいたら戻れなくなりそうで、手が止まりました。」
縫うより、ほどくほうが怖い。
これは、技術がある人ほど強く感じやすい感覚だ。
一度縫った線をほどくと、
「今までやったことが無駄になる気がする」
「布を傷めてしまうかもしれない」
「もう元に戻らないかもしれない」
そう思って、
分かっているのに、ほどけない。
ほどく=後退、ではない
多くの人が無意識に、
「ほどく=失敗」「ほどく=後戻り」
と結びつけている。
でも実際は、
ほどくこと自体が失敗なのではない。
順番が違っていたことに気づいた証拠
それが「ほどく」だ。
縫う力は、積み上げる力
ほどく力は、設計を直す力
縫う力は、目に見える。
線が増え、形ができ、進んでいる感じがする。
一方、ほどく力は目立たない。
むしろ、何もしていないように見える。
でも――
服を整えている現場では、
最終的な完成度を決めているのは、ほどく判断だ。
まひろの判断(※ここだけ)
ほどける人は、縫える人より一段上の判断をしています。
ほどけない理由は「執着」
ほどけないとき、
そこには必ず何かへの執着がある。
- ここまでやったのに、という時間
- せっかく縫えた、という達成感
- これで合っていてほしい、という期待
でも、服は正直だ。
合っていなければ、必ずどこかで歪みとして出る。
それを見ないふりをして縫い進めると、
ほどく量は、あとで何倍にも増える。
「ほどく」は、最初にやる作業
実は、うまくいく人ほど
早い段階でほどく。
- あれ?と思ったら止まる
- 合っていない可能性を残す
- 一度、白紙に戻す
これは勇気ではなく、
判断の順番を守っているだけ。
(ひとこと翻訳|観察者のために)
※迷わずほどける人は、「進んでいる感覚」より「整う感覚」を優先しています。
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ほどくのが怖いのは、
失敗が怖いからではありません。
では、あなたは今、
本当はほどいたほうがいい場所を、縫い続けていませんか?
次回は

思考編08|“合わない服”は、あなたの敵じゃない
合わない服に出会うたびに自分を責めていませんか?服が合わない理由と、敵にしない考え方を解説します。
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